81-48 武術を武術たらしめているもの(二)

前回でも書きましたが

形式が同じ様に見えても 

意識の使い方によって

その働きに差が出てくるのです。

ただボーッとして漫然と動くのではなくて

武術らしく、

自分は今 武術の稽古をしているのだとの念を

強く持って稽古するべきなのです。

この形や動きにはどの様な意味があるのかを

しっかり考えてやるべきなのです。

ただ、意識し過ぎて全身に力が入り過ぎて

ぎこちなくなりやすいので

注意が必要ではあります。

しっかりと動きや

形式の意味が理解できると

力はほとんど必要なくなります。

速さも要らなくなります。

太極拳の動きを初めて見た人は

あのようもので本當に武術になるのだろうかと

理解に苦しむと思いますが

それにはこのような理由があったのです。

         令和3年12月17日

 81-47 武道を武道たらしめているもの

私が太極拳を始めて46年になります。

今でもそうですが

太極拳は武術(武道)でありながら

健康法でもあると謳っており 

私もその表現に疑問を持ちつつも

何となく受け入れていました。

健康法として優れているということで

年配の男性、

それから女性の方も一緒に稽古していましたが、

果たしてこれで大丈夫だろうかと

心許無く思ったものです。

ですが實際に體調を回復し、

今まで外出もままならなかった人が

外出できるようになり、

日常生活を送る事ができる様になったりするのを

目の當たりにすると、

否応なく効果はあるのだと

納得せざるを得ませんでした。

それに反して

武術(武道)の方は本當に實用になるのか、

その端緒すら見出せませんでした。

これが解決、解明されるのに25年以上かかっています。

ここからの説明はかなり複雑でややこしいものになります。

同じ手を動かすのでも、

健康法の時と、舞踊の時と、武道(武技)の時と、

何も考えずに動かした時とでは異なるのです。

中身が異なるのですが

このことがどうしても解らず困惑したものです。

同じ手を上げるのでも、

舞踊の時と武技の時とでは違います。

中身が、その認識が「質」が異なる事への

理解がどうしても出来なかったのです。

これは偏に私の實力不足のせいだったのです。

動きを意識してやるのと、

意識しないでやるのとでは認識の質に差が出てきます。

當然 動きの質、内容にも格段の差が出てきます。

ちなみに「氣」を使うのも 意識してやることの一つです。

              令和3年12月8日

81の46 素振りと立ち方

日本刀(模造刀)で素振りをしてみます。

不用意に振ると地面を叩いたり

足先を叩いたりします。

實際に真剣を使っての試し斬りでは

足先をに斬りつけたりする事故があるそうです。

足先を斬らないように途中で停めるのですが

十分な勢いを持って(一刀両断できるように)振ると 

なかなか上手く停められません。

それで勢いを殺し

ゆっくり振り下ろします。

それでは一刀両断出来ないのです。

腰を引いた、いわゆるへっぴり腰になり 

腕力だけの力任せの

振り下ろしになります。

十分な勢いを持って振り下ろすためには

前脚の裏を

地面にめり込ますようにするのです。

腰がしっかり前脚に載らないと

上手く極まりません。

この體勢が太極拳とか、

空手で言うところの弓剪歩や前屈立ちなのです。

更に後ろ足を寄せ、歩幅を狭くし、

やや後脚で體を支えるようにしたものが

形意拳の三體式です(これは私の見解です)。

この三體式の時

一見すると後脚に體重の6割から7割を載せただけ

のように見えます。

實際に見てみないとわかりにくいかもしれません。

                 令和3年12月1日

81-45 斜面を打つ

拳、打の補足説明です。

今までの拳、打は當てる対象面を

垂直に想定して稽古をしてきました。

しかし この方法だと習得に時間がかかる事と、

威力向上の点で問題がありました。

そこで拳、打の當る面を少し斜めにしてみたら

すごくやり易くなりました。

絶壁に當てるのではなく 

堤防の法面に當てることを

イメージしていただくといいでしょう。

法面に直角に當てる感じです。

形意拳の崩拳でやると、

捻り墜とす時に 

體重を拳に載せ易くなります。

また掌打の時も 形意拳の劈拳でやると

よくわかります。

踏み込みながら掌を捻り墜とすのですが 

これも體重を載せるのが載せ易くなります。

さらに上達しますと

斜め下ではなく

真下に捻り落とします。勁力が更に強化されます。他の拳法でも按勢は

このやり方で勁力が更に強化されます。

一般的に按勢は

劈拳の如く

真下に打ち墜とすようにやるのが

最も勁力の強化に役立つのでしょう

ただ このやり方だと勁の進行方向を垂直方向から

水平方向に変化させる為のレッスンが

別途必要になりますけど。

ここまで進んで来て 

太極拳の起勢の型の意味がよくわかります。

あれは當に絶大、

強猛な勁力の出現を想定しているのですね。

           令和3年11月24日

81-44 対練法

今回は対練法ですが 

實際の稽古に入る前に

対人練習法の本質を考えてみます。

そもそも素手の格闘術は

自分の手元に武器がない時の対武器対応法として

発達してきました。

全ての徒手格闘術はここが原点です。

なぜ対武器からなのかというと、

そもそもヒトはモノ、

道具を扱うようになってから急激に発達してきた

という歴史的事実があるからです。

通常危険な所に行くのに手ブラで、

丸腰で行く人はいないと思います。

何がしかの得物を携えて行くはずです。

相手が武器を持ち、

こちらが丸腰の場合、

まず相手の武器を無害化する所から闘いは始まります。

一方相手はそんなことはなく 

一方的に攻撃を仕掛けられます。

武器持ちは圧倒的に有利です。

その時の対処法は

相手が武器を持って仕掛けようとする

出鼻を挫くのです。

攻撃の準備を始めようとする

まさにその瞬間を狙って手首を抑えます。

いいですか、

相手が構えるのを待つのではなく 

構えようとするその直前を狙って 

間髪を入れず接触し制圧するのです。

ですから間合いを見極める事がとても重要になります。

お互いの距離が遠いと不利になるので

相手の間合いに

不用意に入らぬようにしましょう。

狙うのは 手首、小手、肘です。

そこを抑えます。

この時 掴もうとすると

一瞬こちらの反応が遅れますので注意します。

触りに行き 抑えるのです。

   令和3年11月18日

81-43    換手

今回は 換手です。

換手とは文字通り手を交換する事です。

左弓歩を例に取り説明します。

相手も左弓歩に構え、

一歩踏み込んで右拳で中段を攻撃します。

空手の場合、前に出ている左手で払い 

右拳で反撃するのが一般的ですが、

換手を使う時は前にある左手で 

軽く逸らし、

素早く右手に交換して抑え 

左掌で反撃します。

この時左手で逸らした相手の拳を

右手に交換する時に

抑えが不十分になりやすいのですね。

その為 左掌による反撃が

思い切って出来ない事が多いのです。

右手と左手で異なった動きをすることが 

こんなに困難なのかと

思い知らされるこの頃です。

   令和3年11月11日

81-42 解き方に慣れておく

何でもそうですが覚えただけでは使えません。

使いこなすことが肝要です。

武技でもそうです。

何度も何度も繰り返し稽古して

身體に染み込ませて

馴染ませておく必要があります。

そのためには身體の構造そのものが

変わらねばなりません。

目で見、耳で聞き、肌で感じただけでは

使い物にはならないのです。

そのためには一つの武技の修得だけでも

最低10年はかかります。

ですから

多数の武技を身につけるのは不可能に近いのです。

一つ一つの技を覚え 

徹底的な反復練習をして身體に叩き込みます。

そうしたらその技を変化して使えるのです。

沢山の武技ではなく

一つの技を色々に変化して使えます。

外から見たら沢山の技を使っているように見えるのですが

少ない技を無限に変化させて使っているだけなのです。

繰り返しますが

少数の技を10年単位で身に付け、

無限に変化させて使うのです。

汎用性の高い技を創るという事です。

     令和3年11月4日

81-41 封じられた時の解方

今回は封じられた時の解き方ですが

前回の補足をしておきます。

狭義では封じられる、制圧される、で良いのですが 

これを広く捉えると 自分が有利で、

相手を不利な状況に追い込む事も意味します。

封じられた場合 

相手に逆らわずクルリと回転して反撃に転ずるのです。

太極拳の場合ですと 

封じられると身體を弛めて左右上下に流し、

反撃しますが 

八卦掌では弛めて流すだけではなく

轉身して反撃することを主にやります。

動画を見て参考にして下さい。

この動画では拙い動きをしていますが(汗)そこは置いといて 

このような対応もあるのだなぁ

というふうにみてください(学習用です)。

八卦掌第一掌の穿掌から展伸掌への変化と、

太極拳の擠勢への変化も試してみました。

      令和3年10月26日

81-40  實際の闘い方の修得について

實際に対打をする前に

このやり方についての理解を深めておくことと

接触することに

慣れておく必要があります。

接触するだけではなく 

接触した後 相手の動きを制限し 

制圧することを学ぶのです。

また相手の手首に接触しようとしても

それを嫌がり逃げようとした場合 

すかさず 

相手に貼り付いて制圧することが重要です。

普通はこの段階でつまづくでしょうね。

貼り付き、粘り、相手に合わせて動くという一連の動きを

いかにスムーズに行えるかということが

稽古の要点となります。

普通の格闘技では攻撃する事に重点が置かれてますから 

如何にアタマを切り替えられるかが肝要となります。

強大な攻撃力を誇っていても

其れだけではまだ不完全です。

如何にしたらその攻撃力を充分に活用できるか、

そしてそのための方法を持っているか

に尽きると思います。

         令和3年10月22日

81-39 闘い方の原則についての考え方

まず刀を持ってたら 原則抜かせない、

ということですね。

これに尽きると思います。

これは相手がそういうことを想定してなかったらかなり有効です。

素手での場合でもそうです。

相手が殴ってきたらどう捌くかという場合、

通常シロウトには対応ができませんよね。

しかし殴られそうになった時手首を抑える、

というのならできそうです。

これでも恐怖感があります。

殴りかかられたら怖いですよね。

しかし殴りかかられる前だったら怖いけどまだマシです。

刀を抜いてる相手に立ち向かうのは

ほとんど自殺行為ですが

刀に手をかけそうになった時

手首を抑えるくらいはできそうですね。

ですから素手で殴られそうになる前に

相手の手首を抑えるくらいはできるでしょう。

動画ではそこら辺を簡単に説明しています。

實際はもっと稽古して

確實に対応出来るようにしておきます。

また手首を抑えられた時の対応の一つとして

八卦掌の第1掌、単換掌を紹介しています。

                      令和3年10月14日