八十の四十五 八卦掌第一掌 單換掌

拳譜……反身して横推掌をなす

提要……扣歩し擺歩して身を回らせ

    穿寧(正式には寧の文字は手偏が付きます。

    バソコンで表示出来ませんので寧で代用

    します)して領走する。

   「ベースボールマガジン社刊 佐藤金兵衛著 正伝 実戦八卦掌より」

今回から八卦掌です。まずは第1掌 單換掌です。

歩くときはあまりカカトを上げないようにして

スネに重さを載せるようにして歩きます。

腰はやや斜めです。

八卦掌で大事なのは捻りです。

脚も胴も腕も掌も みな捻ります。

手を上に向けた時、掌面が後ろを向くくらい捻ります。

合気道の小手返しのイメージです。

胸を凹ませ背を張ります。

含胸抜背ですね。

腕は捻って突き出すようにします。

そして掌です。

竜爪掌です。

親指を開いて 他の四指を広げます。

珠を掴むイメージです。

人差し指は天を指します。

もう一方の手は人差し指を肘のところにおきます。

反転して横推掌する時の腕は弓形にアーチ状にします。

細かい注意がたくさんありますので

直接指導で伝えます。しっかり練って下さい。

     令和二年十一月二十六日

八十の四十四 失われた内功を取り戻す

病気や手術などで内功が失われることがあります。

苦労して修得した内功なのですが

嘆いてばかりもいられません。

直接的にすぐ内功を取り戻すことは難しいのですが

失われた内功を取り戻すための

補助的なトレーニングがあります。

ちょっと紹介します。

椅子に腰掛けておヘソの付近に手の平をおきます。

ちょっとお腹を凹ませてフンっと

膨らませます。

この時軽くおヘソで手の平を押します。

力まずにやってください。

一日10分くらい。一度に出来ない時は分割も可。

焦らずじっくりとやりましょう。

やっているうちに内功が

少しづつもどって来るのがわかるでしょう。

3年もやればかなりの効果を期待できます。

          令和二年十一月十六日

八十の四十三 套路と練功の関係について

一般的に套路と練功法とは別物に分けて考えられてますが

太極拳や八卦掌、形意拳では

套路が練功法を兼ねているのです。

そのためすごく分かりにくくなっています。

長拳では別々に訓練しています。

ただ熟達すると

套路が練功法にもなっているみたいです。

まず 練功法とは何かということを

身を以て體感して感じ、

修得してもらう必要があります。

それから套路を覚え 軀に染み込ませます。

それから一つ一つ丁寧に

套路が功を深めるようなやり方に変えていきます。

相当 注意しながら意識してやらないと

だいたい ズッコケ挫折してしまいます。

くれぐれも焦りは禁物です。

         令和二年十一月十四日

八十の四十二  鑽拳

今回は形意拳の五行拳の最後、鑽拳です。

五行でいうと「水」に属し、

「腎」を養うとあり

これを演ずるに 法に合えば即ち氣は和して腎は足り

(つまり腎臓が元気になり)、

これに反すれば則ち氣は乖きて腎は虚。

(つまり腎虚になるという事。)

氣が乖きて腎が虚なれば

即ち清氣の上升は不能にして 

濁氣の下降も不能。

而して拳の真勁もまた出る事不能なり。

(氣の流れが叛いて腎が虚になったら 

清氣の上昇と濁氣の下降が出来なくなる。

だから 勁力も出ない)

(日東書院 松田隆智著 形意拳入門参照)

ちょつと難しくなりました。

三體式で構えます。

前に出ている掌で相手を制し、

後の手を陽拳にして突き上げるだけなのですが

上に突き上げるのに膝の伸展を使うのは不可。

前脚の爪先をパタンと墜とす時の

反力を利用して突き上げます。

この時 膝を抜かない事。

うまくいくと相手の體を浮き上がらせくらいの威力を出せます。

動画を参考にしてください。

     令和二年十一月六日

八十の四十一 劈拳

形意拳といったら劈拳というくらい有名ですね。

五行では「金」で 内臓では「肺」を養います。

その技法は前に出ている手を拳にし、

上に突き上げながら前脚を半歩出し(転歩)、

続いて 後脚を前進させ 後ろの手掌打します。

これを「起鑽落翻」と言います。

つまり「起」(技法の起こり)で拳を「鑽」(突き上げる)し、

「落」(打ち下ろす、終わり)で突き出した拳を

「翻」(翻す)して、掌打する事である。

私のところでは前脚を出す時、半歩斜め外に出し 

独立歩になります。

前の手は掌の平を返しながら捻り上げます。

空手の内受けと似てます。

後脚を寄せて揃え さらに一歩出し

踵を着地させ爪先を浮かせます。

この時後ろの手を前に出し陽掌にします。

後ろの手は陰掌にして 前の肘の下に添えます。

爪先を着地させながら後の手は下に、

前の掌も下に切り裂くようにして打ち出します。

同時に跟歩します。

回身式は前脚を扣歩し真後ろに戻ります。

回る時後脚が前になりますが

それを外側に半歩出します。

動画を参考にしてみてください。

       令和二年十月三十日

 八十の四十一  横拳

今回は形意拳 五行拳の一つ横拳です。

その属性は「土」で「脾」を養う、とあります。

歩法は吾が国でいうところの千鳥脚です。

動作を説明しますと、まず左三體式で構えます。

左脚を半歩左に出しカカトを着け、

爪先は浮かします。

右掌を拳に変え、

捻りながら右斜め前に打ち出します。

左掌は拳に変え、右肘の下におきます。

後脚は跟歩します。

次に左脚を右前に出します。

(これを転歩と言います。

元の文字はパソコンでは出せませんので

この文字で代用します。

意味は同じです。)

文章だけでは難解ですから

動画を参照してください。

次に右脚を一歩出します。

この時 今までと同じく爪先を上げ、踵は接地しておきます。

同時に左拳を出します。

拳背は上に向けておきます。

右拳は拳背を上に向けて構えます。

爪先を着地させ、左拳を捻りながら正面に打ち出します。

右拳は左肘の下に墜とします。

同時に跟歩します。

回身式は左脚が前になってた場合、

左脚が右脚を扣歩するようにして内回りに回り後脚の

横に置きます。

両拳はそのまま。

その次は 後(右)脚を前に出し爪先を浮かします。

左拳を拳背を上にしたまま構え、右拳を左肘の横に置きます。

爪先を着地させながら左拳を捻り打ちます。

跟歩し、右拳を左肘の下に置きます。

慣れる迄このやり方はやりづらいと思います。

          令和二年十月二十三日

八十の四十  砲拳

今回は形意拳の五行拳の一つ砲拳です。

その属性は「火」で「心」を養う、とあります。

特徴として通常の運動線が直線なのに対して

左右斜めをジグザグに進みます。

また右の砲拳の時は右手は拳にして顔の右横に竪て、

右前脚にし、左の中段突きを放ちます。

拗拳になります。

まず左三体式から左斜め前に 

半歩進んで片足立ち独立歩になります。

同時に両手を裏拳にして下腹部、鼠蹊部付近に

叩き落とすようにします。

次に右斜め前に「右カカト」を出し着地します。

このとき爪先は上げたままにしておき 

右拳は拳心をコメカミ付近に構えるのです。

左手は拳背を下にして竪てた右肘に添えます。

それから左の拳を打ち出すのですが

このとき四つのことを同時に行います。

①上げてた右爪先を着地させ、

②左拳を竪拳にして中段突きです。

③竪てた右腕を外側に捻ります。

④同時に後ろの足は跟歩します。

これらを右爪先の着地とほぼ同時に終了させます。

文字にすると長くなりますが

しっかり読むとわかると思います。

なお③の竪拳の時は前に突き出すより

下に捻り墜とすようにすると良いと思います。

回身式は前足を内側に百八十度回して

独立歩になります。

私はここで紹介した形意拳を十年近く独習して、

やっと形意拳や太極拳の突きが

空手の突きとは別のものだという事が悟れたのです。

一般には空手の突きのままで形意拳や太極拳の組手、

対打をやっているところが多いようです。

     令和二年十月十六日

八十の三十九  崩拳

私のところで行っている形意拳のうちの一つ、

崩拳です。

三体式から前脚のカカトを着け、爪先をあげます。

爪先の着地と同時に拳を打ち出し、後脚を跟歩します。

通常は形意拳は劈拳から始めるのですが、

故あって崩拳を最初に持ってきてます。

崩拳は五行でいうと「木」、

五臓でいうところの「肝」を養います。

教える人によっては崩拳に限っての事ですけど、

往路は左脚を前に出したまま

復路は右脚を前に出したままで行ってます。

ただこのやり方だと初心者にはきついので

左右交互に行ってます。

熟練したら元に戻します。

あと このやり方だと(左右交互だと)

發勁の稽古はしやすくなるようです。

   令和二年十月七日

八十の三十八  發勁の修得

私のところでやっている發勁の修得法です。

「拳」と「掌打」の二つに限定して紹介します。

まず拳です。

まず發勁の形をゆっくりとなぞります。

ここでは形意拳の崩拳と長拳の馬弓捶を元にしてます。

掌打も形意拳の劈拳と馬弓捶がベースです。

最初はゆっくりと行います。

これが第一段階です。

次は形意拳の五行拳を参考にしながら

素速く拳や掌打を打つ練習です。

前脚のカカトを着け、爪先を浮かします。

パタンと音がするくらい強く踏み下ろしながら

拳や掌打を打ち込みます。

呼氣は鼻から一氣に吐き出します。

大體このレベルまでできるようになりますと 

ある程度自由対打でも使えるようになります。

打たれた相手が腰砕けになるのを良しとします。

この動画では呼氣は利用してません

呼氣の利用が出来るようになるとさらに威力が増します。   

    令和二年十月二日

  八十の三十七 一打で倒す

拳法では一打、一撃で相手を倒すのを理想としてます。

一打で相手が倒れないときに

二の打、三の打となる訳でして 

初めから二の打、三の打ありきではありません。

その一の打で相手を沈めるために種々、

色々な練功法がある訳であります。

伝統的な空手道の巻藁突きもその一つです。

さて吾々です。

功を深くし、功を積む、というのも

一撃、一打で相手を沈めるためにやる訳です。

「一剣 よく相手を屠る」といった感じです。

四股を踏み 震脚で氣を沈め 

拳打も下に墜とすように打ちます。

通常の打撃では顔面や頭部を狙わなければ

一撃で相手を沈めるのは難しいのですが 

功を積み 功が深くなると

胴体への打撃でも相手を沈めることは難しくありません。

過去の動画でも胴体への打撃で

腰から崩れていのを見て取れると思います。

       令和二年九月二十五日