八十の三十三 半歩崩拳遍く…………

今回は立円推手に崩拳を使ってみました。

通常の推手は按を使いますが

今回は中段突き、崩拳を使います。

前脚の踵を着け、脚尖を墜とすと同時に拳を打ち込みます。

初めはわかり易いように 

脚尖着地と同時に全體重を拳に乗せ、打ち込みます。

ただこの打ち方だと跟歩が正確ではありませんので、

慣れるに従って正しい跟歩に修正していきます。

跟歩の正しいやり方は前脚の脚尖が着地する時 

全體中が前脚に乗り終わる前に

後脚の跟歩を完了するようにします。

前脚への體重移動が完了してないのに後脚を動かすのです。

さらに後脚の踵は浮かさないように 

足裏を水平にして膝を曲げ 引き寄せます。

また打ち込む時は肱を伸ばさないようにして

前臂の尺骨を捻り墜とすようにします。

    令和二年八月二十七日

八十の三十二  跟歩を使う

動画は單推手、立円です。按出するとき跟歩を使ってみました。

前脚の踵を着け

脚尖を落とすのに併せて按出します。

最初のうちは上手くいかないので

跟歩は形式だけにして脚尖を落とす時 

全體重を前脚に載せます。

要領を掴んだら正規の跟歩に戻ります。

正確に全體重を載せることができたら千斤の重さになります。

    令和二年八月二十一日

八十の三十一  死角に移動

前回の続きになります。

相手に接触したら そのまま即座に死角に移動します。

ここのところをもう少しわかりやすく

状況を説明します。

相手に触れたら

(この場合、相手の自由を制約できるように 

自分の手首を相手の手首と接触させます。)

相手に一定の圧力を加え、その状態を維持したまま、

死角に移動する訳です。

この一定の圧力というのが大切なのです。

というのも弱ければ逃げられるし、

強かったら相手は反撥するし、自分も動けないのです。

それで つかず離れずの微妙な感じを

維持する必要があります。

この感覚が掴めたら 相手をコントロールし易いのです。

と言いますのもこの状態にしてやると 

相手に錯覚を起こさせて

感覚を一時的に狂わせることができるのです。

このような技術は古武術には多いですね。

その後 接触したまま相手の手首や腕を誘導して

無害化しながら死角に入ります。

我々のところでは背勢に入るとか 

背勢を取ると言います。

ちなみに背勢は敗勢に通じます。

これが相手に密着しながら制圧する という意味です。

    令和二年八月十四日

八十の三十  触れるということ

八卦掌や太極拳、形意拳の試合では

お互いの小手を軽く付けたところから

試合開始となります

この小手をクロスさせるということを

交手と言います。

他所ではまた別の呼び方をしているみたいですね。

ところでほとんどの場合 

この交手をするということ、

つまり相手に接触するということの意義が

よくわかってないというか、

研究が出来ていないようです。

というのもこれは八卦掌や太極拳、

形意拳では離れて闘うことのリスクを嫌って

密着した状態での戦闘法を選択した結果なのです。

相手の手や脚が自由に動けるようだと

どこから攻撃が来るかわからず、

想定しない攻撃を受けてしまい易いのです。

ところが密着してしまうと

皮膚感覚で相手の動きが分かり、

相手の動きに素早く対応できます。

ですから相手が動こうとしたら

素早く密着して制圧し 

封じ込めるところから

闘いは始まります。

(突き技や蹴り技はその後になります。)

この交手という技の

(交手というのは形ではなく技なのです)

本質は 相手に密着して制圧し、

封じ込めるというところにあります。

當然 相手はそれを嫌がって逃げます。

こちらもそれに付いて行かなくてはなりません。

それで貼、粘、連、随という、

貼り付いて、粘らせて、連なって、随き従う

という技術が必要となって来る訳です。

ここらの技術は太極拳の推手という対練で養います。

   令和二年八月六日