八十の三十七 一打で倒す

拳法では一打、一撃で相手を倒すのを理想としてます。

一打で相手が倒れないときに

二の打、三の打となる訳でして 

初めから二の打、三の打ありきではありません。

その一の打で相手を沈めるために種々、

色々な練功法がある訳であります。

伝統的な空手道の巻藁突きもその一つです。

さて吾々です。

功を深くし、功を積む、というのも

一撃、一打で相手を沈めるためにやる訳です。

「一剣 よく相手を屠る」といった感じです。

四股を踏み 震脚で氣を沈め 

拳打も下に墜とすように打ちます。

通常の打撃では顔面や頭部を狙わなければ

一撃で相手を沈めるのは難しいのですが 

功を積み 功が深くなると

胴体への打撃でも相手を沈めることは難しくありません。

過去の動画でも胴体への打撃で

腰から崩れていのを見て取れると思います。

       令和二年九月二十五日

八十の三十六 技を効かすための具体的なやり方

技を効かせるためには功を深める事が重要なのですが 

その一つに四股を踏むというのがあります。

今回はこの四股を踏むやり方を紹介します。

ここで重要なのは脚を高くあげるのではなくて

意識(意念)の使い方です。

力強く踏み降ろすより念が地中深く、

地球の中心まで届くようにします。

ただ この功はすぐ散らばりますので

素早く使います。

そのための踏み込み、震脚ですね。

相手の動きに合わせて投網を被せて、

絡めるように密着し、

素早く廻り込んで

拳を相手に圧し當てるように打ち込みます。

この時あまり強くする必要はないのです。

というより強くしてはいけないのです。

力強く打とうとして生のママの腕力を使うと

効かなくなってしまいます。

あくまで軽くソフトにです。

功を深めるやり方には四股を踏むようなものと 

身體を煉り上げるものとがあります。

吾が国には身體を煉るというやり方には

馴染みが薄いので

自得するのには大変な苦労が伴います。

   令和二年九月十九日

 八十の三十五 技が効かない

實際に技を使おうとしても全く効かない事が

ままあります。

今回はこれを考えてみます。

相手に触れ

素早く回り込んで

拳を相手に押し付け 

打とうとしたのに

全くと言って良いほどできない。

いったいどうしたのでしょうか。

理由の一つに慣れがあります。

これに対しては

何千回、何万回と同じ動作を繰り返す事です。

ただ初めのうちはパニックになって

何が何だか全くわからないという事があります。

これの理解のためにゆっくりと動くのです。

すると 速い動きでは見えなかったものが見えてきます。

それには相手にも協力してもらう事です。

そのための約束組手です。

繰り返しますが自分の技が有効に効くように

相手にも協力してもらうのですが

その時お互いにどのようにしたら良いのか、

この技の本質は何なのかなどを

納得いくまで話し合うと良いでしょう。

その過程で余分な力も抜けるでしょうし

動きが変わり、

手や足をどこに置いたら良いのか、

腰はどこに置くのか、

腰をどのように動かしたら良いのか

などの理解も深まります。

そうして少しづつ技が

使えるようになっていくのです。

                 令和二年九月十一日

八十の三十四  技を効かせるために

技を効かせようとして 

小手先の事に意識がいき過ぎて

下半身の事が疎かになっているのを

往々にして見かけますが

本當に大事なのは下半身です。

それも単なる脚力ではなくて 

足の裏がしっかりと大地を踏み締めている事です。

その時 重心は地球の中心に向かっています。

そうすると技が効いてくるのですね。

そのための稽古は

足の裏をしっかりと意識して歩くことです。

脚はただ上半身を支えているだけではなくて 

大地の感覚を感じとる

センサーの役割も果たしています。

正拳で突く時、

足裏の意識がしっかりとしていると良いのですが 

拳にしか意識がいってないとあまり効かないのです。

八卦掌の趟泥歩での歩行練習は

その為の優れた練習法です。

                令和二年九月四日

八十の三十三 半歩崩拳遍く…………

今回は立円推手に崩拳を使ってみました。

通常の推手は按を使いますが

今回は中段突き、崩拳を使います。

前脚の踵を着け、脚尖を墜とすと同時に拳を打ち込みます。

初めはわかり易いように 

脚尖着地と同時に全體重を拳に乗せ、打ち込みます。

ただこの打ち方だと跟歩が正確ではありませんので、

慣れるに従って正しい跟歩に修正していきます。

跟歩の正しいやり方は前脚の脚尖が着地する時 

全體中が前脚に乗り終わる前に

後脚の跟歩を完了するようにします。

前脚への體重移動が完了してないのに後脚を動かすのです。

さらに後脚の踵は浮かさないように 

足裏を水平にして膝を曲げ 引き寄せます。

また打ち込む時は肱を伸ばさないようにして

前臂の尺骨を捻り墜とすようにします。

    令和二年八月二十七日

八十の三十二  跟歩を使う

動画は單推手、立円です。按出するとき跟歩を使ってみました。

前脚の踵を着け

脚尖を落とすのに併せて按出します。

最初のうちは上手くいかないので

跟歩は形式だけにして脚尖を落とす時 

全體重を前脚に載せます。

要領を掴んだら正規の跟歩に戻ります。

正確に全體重を載せることができたら千斤の重さになります。

    令和二年八月二十一日

八十の三十一  死角に移動

前回の続きになります。

相手に接触したら そのまま即座に死角に移動します。

ここのところをもう少しわかりやすく

状況を説明します。

相手に触れたら

(この場合、相手の自由を制約できるように 

自分の手首を相手の手首と接触させます。)

相手に一定の圧力を加え、その状態を維持したまま、

死角に移動する訳です。

この一定の圧力というのが大切なのです。

というのも弱ければ逃げられるし、

強かったら相手は反撥するし、自分も動けないのです。

それで つかず離れずの微妙な感じを

維持する必要があります。

この感覚が掴めたら 相手をコントロールし易いのです。

と言いますのもこの状態にしてやると 

相手に錯覚を起こさせて

感覚を一時的に狂わせることができるのです。

このような技術は古武術には多いですね。

その後 接触したまま相手の手首や腕を誘導して

無害化しながら死角に入ります。

我々のところでは背勢に入るとか 

背勢を取ると言います。

ちなみに背勢は敗勢に通じます。

これが相手に密着しながら制圧する という意味です。

    令和二年八月十四日

八十の三十  触れるということ

八卦掌や太極拳、形意拳の試合では

お互いの小手を軽く付けたところから

試合開始となります

この小手をクロスさせるということを

交手と言います。

他所ではまた別の呼び方をしているみたいですね。

ところでほとんどの場合 

この交手をするということ、

つまり相手に接触するということの意義が

よくわかってないというか、

研究が出来ていないようです。

というのもこれは八卦掌や太極拳、

形意拳では離れて闘うことのリスクを嫌って

密着した状態での戦闘法を選択した結果なのです。

相手の手や脚が自由に動けるようだと

どこから攻撃が来るかわからず、

想定しない攻撃を受けてしまい易いのです。

ところが密着してしまうと

皮膚感覚で相手の動きが分かり、

相手の動きに素早く対応できます。

ですから相手が動こうとしたら

素早く密着して制圧し 

封じ込めるところから

闘いは始まります。

(突き技や蹴り技はその後になります。)

この交手という技の

(交手というのは形ではなく技なのです)

本質は 相手に密着して制圧し、

封じ込めるというところにあります。

當然 相手はそれを嫌がって逃げます。

こちらもそれに付いて行かなくてはなりません。

それで貼、粘、連、随という、

貼り付いて、粘らせて、連なって、随き従う

という技術が必要となって来る訳です。

ここらの技術は太極拳の推手という対練で養います。

   令和二年八月六日

八十の二十九  中指を使う

按勢の時 

中指に意識を注入して使うと

より強く使えます。

修得方法は動画を見て貰えばわかりますが、

まず単独練習です

肱を直角に曲げ、手首を垂らし、中指を墜とします。

脱力しながらやるのがいいのですが

初めのうちは少し力を入れて

折るようにすると良いでしょう。

次に折った中指に

意念を注入しながら按出します。

中指の先端が相手に触れたら

手の平で押し出します。

中指全体の反撥力を利用するようにして

按出するとうまくいきます。

次は推手のときの利用法です。

單円推手でやります。

相手の按を受けたら、

手首を返し

手首を折りながら下圧します。

この時、中指を降りながら意念を注入しますと

千斤の重さが出て相手は返せません。

以上簡単ですが説明してみました。

            令和二年七月三十一日

八十の二十九   氣の流れを利用する

この動画では扇風機の位置を変えて

氣の流れを変化させ、

それが實際に吾々にどのように影響を

及ぼしているのかを確かめています。

まず西北と東北に扇風機を置いた場合です。

押されると真ん中の人は簡単に動いてます。

次は西南と東南に扇風機を置いて

風を當てて押してみると見ると

しっかりしています。

このことから次のことがわかります。

拳法の武技を修得する場合 

下肢がしっかりしてる方がしっかりした

突きや蹴りになる訳ですから

基礎はしっかりした方がいい訳です。

すると 西南と東南に扇風機を置いた方が

しっかりした突きや蹴りになるはずだ、

というのは容易に想像できるでしょう。

内功を利用して武技を修得しようとするのに、

氣の流れに無頓着というのはいただけません。

もっと積極的に活用しましょう。

ちなみに扇風機のスイッチを切って無風にすると

また身體がぐらついていますから

この場合の風の有効性は明らかです。

         令和二年七月二十四日